- 作者: 山脇由貴子
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本では、学校が「いじめについて調査」するのは何の意味もなく、むしろ解決策として最もやってはいけないことだと書かれていた。いじめられる子に問題があるのではなく、理由はいじめる側が次々と作り出している。なのに、自分たちが理由を捏造したことを忘れてそれが事実のように思えてくる異常な状況というのは、なるほどあり得ることだと思った。「いじめに負けないで」と言うメッセージも無意味だとあった、なぜならいじめとは立ち向かうものではなく逃げるべきものなのだと。
これはもう犯罪そのものだし、よくあることですまされるようなものじゃない。自分たちの経験でいい加減なことを言えるものではないのだなぁと改めて思った。こういう世界に子供を送り出すのはほんとに嫌だ。少しでもよりよくなるように、自分も大人として心構えをもってないといけないのだろうが。
この本の装丁は、クラス全員に毎日真っ黒に塗りつぶされるいじめられる子の教科書やノートをイメージしているのだと思う。深刻な現実をもっと多くの人に知ってほしいという、作者のメッセージのようだ。