とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう

「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう

図書館で借りられるまでに相当時間がかかったので、結構な人が予約して読んだんだと思う。


10分で読めた。どんなすごいことが、きっとあんなことやこんなことが…と思ってたことはなに一つ書いてなかった。これに1200円!そんなあほな。なんかいろいろに腹立つ本だった。「私の無税人生を完全公開しよう」って…まさに「つかみはOK!」 「はずかしいしゃしんおくります」と言われてお金払ったら赤ちゃんのときの写真が来たみたいなもんか(どこの昭和だ)。


別に著者が税金を払ってないのが腹立つというわけではなくて、書いていることがいい加減だからだ。給与所得と事業所得を持ってるとおさめる税金が少なくなることがある、できるかも、というのはわかるよ。けど、数字をいろいろあげてる割に、肝心なところは嘘なのかぼかしてるのか、はたまた本人もわかってないのか…おかしな部分が多い。


だいたいこの著者が言う程度のやり方で「無税」になるのは、ある程度給与の少ない人だけだよ。そこそこ年収が出ちゃうと減らすことはできても「無税」にはならないし、そういう人が無理やり無税になるまで突っ走ると、調査される、かもしれないんじゃない? 口悪く言うと、「変な申告してる人がおるけど、まぁ問題にするほどの所得でもないか。」と放っておかれていただけだ。できる節税はやればいいと思うけど、確信犯的悪意?をもって申告を長年続けてきたのを自慢し、指南する変な本だ。「帳簿などつけたことがない」って堂々と…「おれスピード違反しょっちゅうしてるけどつかまったことない」みたいな感じ?(確かに小規模であれば法律上の記帳義務はないので、この人自身は法律違反をしていないのだろう。けど、そういう根拠は示さず書きっぱなしなので、誤解を与えやすいと思う)。


文中に「なぜ自分が無税ノウハウを公開するのか」というくだりで「本を売ってお金儲けをしたいからだ」という意味のことが書いてあった。そこだけは正直で好感が持てましたよ、はい。もう定年で「税の取戻し」も期待できないから、最後に本だして儲けましょ、ってことかな。ほんとにこの程度のことだけで35年無税になる収入しかなかったら生活たいへんやん!と言ったら、「実は親の遺産がたくさんあるとかなんじゃないの?」と夫は言ってました。芦屋市在住だからありえるかも…。この本が売れて所轄税務署にすればいい面の皮だろう。けど、役人も人間。わずかな税金のことで、ややこしい人に関わるのはごめんだと思う気持が強いかも。芦屋市は高額納税者がいっぱいいるだろうからね。同じ事を田舎の人がやると目立ってしまうかもしれない。。。


まぁ、この本を読んで「目からうろこ」感心しちゃうくらい、税のことはさっぱりわからないという人が多いのは事実なんだろう。やっぱり税も年金もきちんと中学くらいで勉強させるべきだと思う。そんなことしたらろくなことにならん、ってお上は思ってるんだろうけどね、年金の仕組みを大学で講義していた人が言うには、ちゃんと理解したら多くの学生が「それやったら国民年金納めます」と、考え変えたんだそうだ。未納対策は教育からなんじゃないの?


年金、税金、政治のしくみ、次世代の若者ちゃんに、基礎だけは学ばせてほしいな。


言わんとすることはわからないでもないけど、いろいろな点で納得いかないし、まともな校正もされてない。他の節税本にダメ出ししているのも???(どう読んでも「お前がいうな」状態)  まともな部分だけにして、もう少しちゃんとした書き様があったんじゃないかと思う。というわけで、今年読んだ中のワースト本に暫定認定中〜。。。とは言い過ぎか(^.^;  


朝日新聞でこの本が批判されたのがきっかけで話題になったんだそうだ。まぁひとつの問題提起にはなってるんだろう。結果として「本は、売れた。」おめでとう只野クン、ミッションクリアだw