とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

表紙と出だしで難解なのかと思いきや、リーダブル(って、斎藤美奈子が本の中で多用してた言葉)。
スパイのお話でそこそこ面白かった。いつも最後には・・・って裏返る感じなのね。


私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

最初は、なんじゃこのヨーロッパ礼賛成へんくつ学者じじい、って思ったけど、途中から笑けてきて、「人に迷惑をかけるな」と命ずることは「生きるな、死ね!」と命令するようなもの。ってとこでげらげら笑ってしまった。そしてこう続く。しかもだからといって自殺しても(普通)親兄弟姉妹はじめ、膨大な数の他人に迷惑をかけてしまう。では、どうすればいいのか?まさにここから思考を開始すべきなのです。 御意、って感じである。
普通教の信者、っての、自分にも周りにも感じるな。意外と面白くてあっというまに読んでしまった。夜回り先生のこともちらっと書いてあって、批判?と思ったらそういうんでもなくて頷ける内容だった。
ま、こういう人はこういう仕事してこそ(哲学博士)なんだろうね。この人みたいな変わり者の大先輩がいたわぁ〜、すごい賢くて仕事できて愛想なくてでも優しくて上を上とも思ってなくて、好きやったなぁ。ま、でも、私は小さく普通教に生きて、どうせ死ぬんだけど



・・・どんな思想をもってもいいのですが、当人がその思想をどれだけ自分の固有の感受性に基づいて考え抜き鍛え抜いているかが決め手となる。つまり、その労力に手を抜いている人は嫌いなのです。(中略)人間とはこんなにも複雑なものであるのに、それをわずかな引き出しに閉じ込めてしまい、しかも強引に「よい方向」に、つまりそう人間を見たいように、まとめあげてしまい、あとは梃子でも動かない絶対的確信となる。・・・
太字は本からの引用です)