とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

バスで

 仕事を終えて、お昼過ぎにバスに乗った。2人がけの席に座っていると虎男よりちょっと大きいくらいの子が「ここ座っていいですか?」と聞いてきた。どうぞ。
 えらいはっきりしゃべるなぁ(このくらいの歳の子はシャイなことが多いから)、と思ってたら、「どこまで行かれるんですか?」と尋ねてくる。そしてそこから、彼が降りる(私が降りる二つ手前)まで、ずーっと話しかけられたのだった…。びっくりした。
 どうやら彼は中学生で(学校まだ終わってない時間だと思うんだけど、私服だった)、いじめられているという。昔住んでいた地域の友達と遊ぶためにこのバスに乗っている。ひるごはんがまだで(1時過ぎだった)、今からどっかでなんか買って食べようと思ってるらしい。
 非常に礼儀正しい感じなんだけど、「世の中嫌な事件が多すぎますよね。殺人とか、麻薬とか。」とかそんなことばっかり言うのね。(さっきの昼ご飯や自分の話は後になってからで、会話の皮切りが”殺人をする人というのは…云々”という予想外問題だったのだ、汗)若い厭世ってやつかな。。。
 自分がもっと若かったら、な〜にわかったようなこと言ってんだいこの若造がっ、と鼻で笑ったり、話しかけられないように無視したりしそうだけど(同じこと言うてても酔っ払いのおっさんなら間違いなく無視だ)、似たような歳の男の子を持つおばちゃんとしてはそうもいかず…まさに老婆心と思いつつ、「世の中のほとんどの人は、普通に、まぁ適当にいいこともして、毎日暮らしてるんちゃう。だけどそれはニュースにならないでしょ。だからTVがやるニュースは、嘘じゃないにしても、正しいこともないと思うよ。なのに悪い事しかない、って思うことはもったいないことやねぇ。」とか言ってみるのであった。
 彼と話していて、ひとつ面白いと思ったのは、何を言っても、「それはつまり××××ということでしょうか。」とまとめてくれることだ。その度に私は「そういうこともあるけれど、逆にこういうことも言えるかなぁ。その都度自分で考えてみななぁ。」とか言ってみるてすと。
 少し大きめの声で話す彼(若者特有の周りに聞こえて良し、って感じかな)と、なるべくそのトーンを下げてほしく小さい声でしゃべるおばちゃん。周りは「あららぁ。。。。」と思ってそしらぬふりってとこかな(^.^; 座れたしのんびりうたたねでもしてかえろ〜、と思ってた車中は、妙に緊張した会話の時間になってしまった。
 「じゃ、そろそろお別れですね」と席を立ち、バスを降りた彼は、降りるまでは一度も振り返らなかったけど、バス停に留まってバスが動くちょうどいいタイミングで振り向いてこちらに手を振った(という気がするだけかも)。何度も振り返るのは恥かしい、さりげなく手を振ろうとちゃんと考えたタイミングだった(という気がするだけかも)。おばちゃんも返礼す。
 前にyennさんがお子さん連れのときに話しこんだ金髪くんじゃないけれど、意外と大人と話したい子供っている、という気がするだけかも。