は、凄い、上手い。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/09/20
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なんというか、かっこよすぎない登場人物達がとてもいい。もちろん中学3年生にしては出来過ぎやろ、と思う部分は多いんだけど、それでも青臭い感じがちゃんと残ってて、おばちゃん達の希望の星のような子供達である。この優等生ぶりがダメな人はこの物語にはまれないんだろうなとも思う。
みんないい人、ではない。弱いし、ガキだし、失敗する。でも優しい目線で書いてあるのがいい。性格悪くてどうしようもないような登場人物に対して容赦なく書きながら、優しく細い光を当てるような文章、いいなぁ。とにかく必死な子供達が主人公って設定におばちゃん弱いのよ。
結末は途中からなんとなくわかるんだけど、不満はない。身勝手な死、それによる周囲の思い込み、苦しみ、いろんなものを最後救ってくれた良いラストだと思う。ひねり過ぎて救いのないものより好みです。弁護士2人、刑事1人を筆頭に理想的な大人がたくさん出てくるのは、やっぱり作者の未来への希望かな。
全体的に甘く優しく感じるのは、やっぱり、”自分で自分を殺しちゃだめなんだよ子供達”と言うメッセージを伝えたかったからでしょうか。そして、子供を愛して守ってやらなければならい親、マスコミ、などの”大人”については、疑問、不満、厳しい見方、を持っているようにも感じました。
人とはツボが違うかもしれないけど、ラストの手前あたりで私は涙が止まらなかった。
ミーハーかもしんないけど、今年一番かな。どこかのレビューにあったように、「ミステリー」よりは「ファンタジー」かもしれませんが、やはりあったかくなれる話が好きです。
ほんと、これだけの作品を仕上げる作家さんの頭の中ってどうなってんだろ?と感心しちゃいました。一気読みおすすめです。
映画化されるかなぁ。。。