とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

#29,30

それを愛とは呼ばず

それを愛とは呼ばず

 静かであたたかいのかと思いきや、冷たコワい愛でもあります。
 桜木さんの描く男性、ひ弱なようで強くて、優しいようで薄情で、独特の空気が魅力なのかなと思う。社会的に成功した高齢女性が、年下の男性に恋をしてパートナーになって、そこから出来事が展開…というのもこの作者さんっぽい。どちらも、おいらたち中年女性の願望なんでしょかね〜(笑)
抱く女

抱く女

 結構面白く読みました。まったく知らない70年安保世代の話だけど、当時の学生さんがそこに見えるように描かれているし、女であることにいつもどこかでいら立っている主人公にはなんとなく共感できるんだな。自身、学生の頃は男友達と遊んでいる方が気楽だったし(直子みたいなことはしてませんけどね(^.^; )、女性扱いされないことを良しとしてるようなところがあった、なんか自分の女性性が鬱陶しくていらいらしてるところがあったんだろうなと思うわ。

 リブの集会のくだりとか自殺した友達の彼氏の開けてびっくり上から目線遺書の文面なんかも時代〜って感じがして面白かったし。まぁよく言われることやけど、女の敵は男であり、女の敵は女であり(…って全部敵やんかw)
 「抱かれる女」から「抱く女」へ。超だらしない直子はだめ女に見えるかもしれないけど、同じこと男性主人公がしてたらそんなに嫌悪されないでしょ?…と、そういうとこでしょうか。桐野さんの描く強い女のスタート地点がここなんかな〜とも。

 うちらはややバブル世代なので、若いうちは男性にちょっと甘えてればオイシイこといっぱい、みたいなところがありましたし、この本の時代のようにあからさまに馬鹿にされるようなことはなく、表面的にはそこそこ大事にする風だったので、反発しつつもここまで戦う精神がわかなかったような気もしますなぁ。ただ同世代はともかくとして、上の世代(当時の自分からみた”おっさん”達)は嫌だったかな、社会=おっさんのかたまり、と思っててそこにお仕えするのが嫌やからと、まともに就職せんかった甘ちゃん人間でしたから(今となっては自分小っさ、と恥ずかしい(/-\*))。
 今の若い世代の男女感覚ってどうなんでしょうね、もっとフラットなんかな。

 ただ、わたくしこの表紙絵はニガテです(草間弥生さんね、ドットだめなのよ〜(T∇T) )。