とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

#26,27では、どうすればよかったのでしょう

楽園 上 (文春文庫)

楽園 上 (文春文庫)

楽園 下 (文春文庫)

楽園 下 (文春文庫)

模倣犯」のあの前畑滋子(私の中ではドラマの中谷美紀なんだけど)が主役。悲惨な事件でありながら、答えのない絶望に希望を与えて終わってくれるのは宮部さんらしいけど、どうしようもないことを、ではどうすればよかったのか。根っからの悪人からは逃げるしかないと思うけど、逃げられない立場なら?楽園って皮肉のよう、生きるしかないのを楽園と言えるのかなぁ、それでも人生は素晴らしいと思うべきなの?
私だけ損している、というのは林センセイの不機嫌な果実のテーマだったけど、そう思ってしまう人の卑しさが不幸の始まりなんだろう。妬み、羨み、そういうものから逃げられない。それと、親子、きょうだいの難しさ。愛情があっても掛け違えば伝わらない不幸もある。
それぞれの人物がいきいきと動いて読ませてくれるのはさすがです。
仲間由紀恵のドラマも見てみたかったな。