とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

#47☆☆☆☆☆

望み

望み

泣けた、というと泣きを期待して読まれてしまってよくないかもしれないけど、
泣けました。

楽しい話ではなく、とても苦しい。
ずっと締め付けられるように苦しく、最後解放されることを”望み”、救われることで更なる苦しみと向き合う。高校生の男の子を持つ母は、必要以上に感情移入してしまう話かも。
男の子の子育ては難しいな〜と思う。
いつだったか、「女の子だけなんて子を育てたうちに入らないものね、おっほっほ」みたいな言い方を年配女性にされて、なんつーことを言うんだこの人( -_-)9と憤ったけど、時々ふと思い出す(勿論今でも正しい発言とは思わないよ)。病気怪我するとか、手がかかるとかそういう物理的なこと以上に、男の子は異性だけに何考えてるかわからんところがあり、まぁそんなこというとジェンダーだと言われちゃうんだろうけど、やっぱりしっかり学力その他いろいろ付けて送り出す責任を重く感じてしまう。子の問題というより自分の問題で、親子の関係性に悩んでしまう。

繰り返します、男の子ってめんどくさい。なぜか襟首は汚れてるし、男臭いし(違)
そのくせ、母をどんだけ煩わせても、大人になったらどっかいってしまうもんね〜。娘は大人になってからも楽しみが色々ありそう(^.^) とりあえず今一緒に居てめっちゃ楽しいし。

さらにそのくせ、いざお母さんが亡くなると、ショック感謝思い出悲嘆に沈むのは息子の方、ってのがお約束。「東京タワー」みたいな勝手ロマンチスト。それが息子という生き物。せいぜい墓参りしておくれ。

女の子は、なんとなく隠してること装ってること含め考えてることがわかるし、話もたくさんできる。当然生きていくのに”ばか”では困るので賢く育って欲しいけど、智恵のある優しい子に育ってくれればいいかなと思ってしまう(但し「将来いい人見つけてほしいけど、男に食わせてもらおう、依存しようって考えはだめよー。」とはよく言うてる(^.^; )。なんというかプレッシャーが少ない。

ただ、姉妹を育ててる友達と喋ってると、私の長男へのスタンスがお姉ちゃんに出て、妹ちゃんにはゆったり子育てできてる感じなので、男女差別というより、うちの場合は女子が第2子ということが多分に影響してるんだろうなーとも思う(娘が反抗期で喋ってくれない、わからないという話もよく聞く)。

とにかく、素直で可愛かった小さい頃と違って、高校生にもなると、当たり前に親子関係は捩れる。会話はめっきり減る。
”親の背中”と言うけど、ごくたまーに将来の話や自分の経験や信念を話してやってれば、男の子は放っておくのが一番いいんだと思う。かまうより放っておく方が難しいと実感、我慢なのだ。。。

親から見て、反抗的でも、やる気がなくても、何考えてるかわかんなくても、小さい頃素直だった子は居なくなったわけじゃない。ちゃんと受け止めて、思い通りにならない自分に幻滅したり鼓舞したりしながら拗ねた白鳥よろしく水の下では足バタバタしてるんだろう。

子どもを従わせようと思わず、信じる。この親のところに来てくれてありがとうって思うものなんだろうね(…と未熟な己に言い聞かせてるだけ)。

という訳で、おっさん化してきてもやっぱりどこか可愛く心配な男の子なんだよ。。。おっと、おばちゃん、とりとめもなくコーフンしすぎた(^.^; 面白い本に出会うと嬉しい

ま、別にそういうストーリーじゃーないんですけどね。

”望み”というタイトルの重さに、読了後すぐまた読み返したくなりました。
主人公家族だけでなく、少年事件に関わる、警察・マスコミ・ネットといった遠い人から、友人・親戚・取引先といった近い人まで、よく描かれていました。

雫井さん力落ちませんね。