- 作者: 早見和真
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/03/01
- メディア: 文庫
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「うん。まぁ暗い話やけどね」 へー。
各章のタイトルが判決理由になっている、そしてその中身は…という構成がいい。(裁判官に限らず、一般の)人が人を裁くことについて考えてしまう。
こんなことあるわけない、あってはならないと思いながら、それに近いことはもうあちこちで起きてるじゃんという感じもする*1。
もうひとつ、生きる意味=人に必要とされること、というテーマ。自分がその人をどうこうより、自分を必要としてくれる人を好きになる気持ちはわかる。見捨てられることが怖い、悲しい、なかなか受け容れられない。自己評価の低さとリンクしてそうですね。
面白かった。
暗かった。
主人公が薄幸すぎてどうしようもないけど、
静かな震え、響きがずっと聞こえるようで、ページを捲る手止まらず一気読みしました。
*1:仕事柄二者の全く違う主張を聞く機会が増えると(だけど事実はひとつな訳で…いやそもそも事実って何よ、とか)、自分の世界が狭いなとか、判断基準が偏ってるんかなと思わされる。自分はこう思ってしまうけど、それは全然違うかもしれない、逆だとこうなるけどなぁ…と考えることが増える。常識ではこう、と思っても、やっぱり絶対ということはないんだろうなと年取るほど思う。裁判官って毎日毎日そんなこと考えてるんでしょうねぇ…なんて大変なお仕事だろうと思うわ。