東大合格を目指す東ロボ君はMARCHレベルの大学に受かるまで賢くなったそうだ。だけど、この本のメインテーマはそこではない(この表紙は煽り気味、ちょっと違う)。
- 作者: 新井紀子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: 単行本
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大学新入生に出されたごく簡単な証明問題。まともな正答率のカーブが描かれるのは最難関レベルの国立大生のみ、最難関クラスの私立大の学生の出来は20ポイント以上も悪かったという。これは何を意味するか。
そもそも”教科書が読める”レベルの読解力に欠けているとしか思えない中高生が半数いるんだと。数学が出来ないのもそもそも問題に何書いてるかわかんないんじゃないかと。アンケート調査しても答がぼんやり…あ、もしかしてこれも何を聞かれているかわかってないんじゃないかとか(おいおい…でもそうかも)。
センター試験の改革なんて全く見当違い、小学生から英語もいらん、高校数学から行列落とすとか馬鹿か、と文科省をバッサリ。公立中学、高校でやるべき教育を考える上で、東大にばんばん合格出してる中高一貫校の教育なんてなんの参考にもならない(たぶん塾、予備校もそうだろう、塾はむしろ逆効果だろうな)。アクティブラーニングにはリスクがあるよ、などなど、主張にはなるほど〜、そうだよね〜と思うことがいっぱい。
考えたら自分も飛ばし読みしてコツでなんとなく点取ってたクチだと思うわ。だから理系科目がさっぱりダメf(^^;
で、悲しいかな、どうすれば読解力が上がるのか、はっきり「わからない」とおっしゃってる(売らんかなで出まかせを書かないところが良心的)。
教育の底上げを本気でやらないと、という新井さんの鼻息荒さが伝わってくる本。オススメです。文章も細やかで、丁寧に説明、怒るところは怒ってるw 良い意味で女性的で読みやすい。前読んで面白かったAI開発者さんも女性でしたね。向いてる仕事なんですかね。
読解力おかしくなってるのは子供だけじゃないやん、大人にももうとっくにきてるもんね。こういう研究は本当に国の未来の為になると思うのでがんばってほしいわ〜。