出来すぎる人は早くいってしまうんでしょうか。特にご家族の手記に泣けた。
お嬢さんの手記の中に「仏教では人は2度死ぬとされているそうです。1度目は肉体の死、2度目は忘れ去られたとき。」と。もうすぐワールドカップ、多くの人が平尾さんが生きてれば…って思ってますね。
編者の山中先生(山中先生が綴った「友情」も読んだ)が、自身の恩師、お母さま*1、平尾さんの共通点は「レジリエンス(resilience)」と「感謝」だと。
平尾さんは、自分が大変な闘病をしているときでも、友人が体調を崩したら心配して気遣いしていたとか・・・逆の人いるよ、相手の気持ちがわからないで自分のことばっかり言う人。
どれほど辛かったかと思うけれど、弱音を吐かず、最後まで闘った。家族には「ごめん、迷惑かけて」とは言わなかったけど、お嬢さんの旦那さんに「新婚やのにごめんな」と言ったというのは、人柄を表してると思う。
娘さんの結婚のときも「その人が何をもってるかは重要じゃなくて、その人がもってるものが全部なくなったときでも好きで居られるような人と結婚するんやで」とおっしゃったそうで、なかなか父親が娘にそう言えないよねぇ・・・ま、おばちゃんは一応そう思ってケッコンしました、その時は(^^)/ これも逆のこという親はいっぱいいるだろうけどw
各界著名人との交流が深かったけれど、妻の惠子さんは「向上心と上昇志向はまったくことなるものだということを、わたしは主人のそばで知りました。」と書いてます。上昇志向だけの人はなにかっちゃ自慢して人の心配ができないもんね。
同級生も大人になってからの友人も、皆が平尾さんと知り合えたことを自慢し、誇り、嗚咽して、これからの人生の指針にすると宣言、どれだけ好かれてるんだと。
我が我がの人は山ほど見るけど、平尾さんみたいな人はなかなかいない、ってことだ。すごいなぁ、そしてなんとも残念だ。
墓石にはご本人の筆による「自由自在」の文字が刻まれているそうです。その自由は勝手な自由とは違う、心の自由なんでしょうね。
感謝がだいじ!とわかってはいるけど、自分が辛い時にどれだけそう思えるか…がんばろうと思った。
カルーセル麻紀さんの若い頃を、同郷釧路の作家桜木さんがあくまでフィクションで描いたという作品。結構面白かった。パイオニアだったんだなぁと。
わたしはわたし、何者でもないものになると貫く姿と、受け容れるしなやかさを持つ母と姉、いつまでもぐちぐちとだめな父と兄、愛情が違うというか、男はだめだなって描かれ方、桜木さん冷たいw
作中に出てくる仲野は新野新だよね。イメージと繋がらなくて…ま、フィクションなんだけど。
*1:お母さまの口癖は「いいことはおかげさま、悪いことは身から出た錆」だったと。偉い。山中先生に反映されてますね