とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

人間の運命

人間の運命

幸福は誰かの犠牲によって成り立っているという悪はしばしば感じる。逆らえない運命どうこうとか、そもそも無理やり生かされている気がするとか、価値はあるのかとかいろいろ、皆そんなおもーくじゃなくても、ときどきは考えてるんじゃないかな。
ばらばらと書いてあるけど、最後の月光の話は非常に鮮やかで伝わってきた。確かにそうなんだと思うし、その人の柔らかい心にしみとおった体験って歳とっても色あせないんだなぁ、と。

 いま私が求めているのは、現在、宗教として世間にしられているものではなく、もっと根本のところで自分を元気づけてくれる力だ。
(中略)
 はっきりいえばこういうことだ。
 自分の心の不安やおそれは、そのままでいい。それを治療してほしいわけではない。
 心に厄介な重荷をかかえながら、心身に苦痛をおぼえつつ、それでもそれにおしつぶされずに毎日を生きていくことのできるエネルギーを求めているのである。

この続きに山中での月光の体験を述べ、そのような光、未知の世界を求めて手さぐりで生きていると締めくくられている。


森繁さんの追悼番組を見ても、この人の本を読んでも思うのは、戦争体験の影響の大きさだ。もちろん戦争は二度と起こってほしくないけれど、若いときにそういう極限の状況でいろんなことを見聞きして考えたことが、後々のその人の人生に厚み(というのと物凄く薄っぺらいんだけど)を与えて、職業や社会貢献へ突き動かしてるように思える。
数十年前に比べれば信じられないくらい豊かで平和になってる今、そういう自分の中にえぐり込むような思索をしろと言われても無理なんだろうなぁと思った。




・・・とか言いながら、私が今一番嬉しくてたまらないのは、先日配管クリーニングに来てもらってシンクの流れが劇的に良くなったことだったりする。水が勢いよく排水口に吸い込まれるのを見て、いかにも通り道が広くなったようなゴポゴポ音が聞こえて、力がわく・・・小っさい、小っせーよ>自分*1

*1:逆に、ただそれだけのことで毎日がとってもとっても憂鬱で鬱陶しかった訳で