- 作者: 真保裕一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/10/03
- メディア: 単行本
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- 作者: 菊池 良和
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2011/02/15
- メディア: 単行本
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虎男も読んでみて、感想を話し合ったんだけど…(長いのでたたみます)
私としては、大変な苦労をされたんだな、というのが第一の感想ではあるけれども
- この先生に比べたら虎男はずいぶん軽いレベルだから、読んで安心できたのでは?
- ここまでやるか〜というエピソードがたくさんで、ちょっと笑ってしまいそうなところもあった(この先生が今は克服して立派になられているという背景があるからこそだけど)
とか、そんな感じだったんだけど、息子の感想は全く違ってた。
いつも私の倍くらいのスピードで読めてしまうのに、結構ゆっくり読んでいた(それだけ噛みしめて読んでたんだと思う)。そして、
- ほんとに、僕の経験したことと全部同じやで*1
- どの部分にも、僕は笑われへんわ
と言われて、ハッとしました。私、本人の身にちっともなれてないだめ親やん、申し訳ないと思った。
本に書いてあるように、周りからわからないようになっていても、本人の中ではずっと辛い、しんどい、の連続なんだね。。。思春期の今、特に大変だよね。
苦労の数々、実体験が詰まっている本ですが、勇気をくれる本でもあります。
正確な引用ではありませんが、
「吃音さえなければ、饒舌に話せれば、自分はもっと気の利いたことが言えて人気者になれるのに、と思っていたがそれは間違いであった。自分は話す中身を持っていなかった。逆に、吃の人でも、楽しい、面白い話が出来る人はいる。」
という部分が印象的で、それを言うと、彼も、
僕もそのことは、今読んでわかった。すごくそう思った。
と、言ってました。これだけでも読んで良かったと思えました。親が思っている以上に本人は気にしていて、面と向かって人と話すという形でのコミュニケーションを(とりわけ大勢の前や知らない人についてはかなり徹底して)避けています。そのせいで、話す中身のない人間になっちゃうのであれば、それはあかんよね。
あと、メールについても話しました。彼は特に、話すのが苦手な分、メールに頼ってるきらいがあるな〜と感じているので。話せなくてもメールなら言える、というのは良いようで危険だよ、と。お母さんは、その人に面と向かって言える言葉しかメールしちゃいけないと思うよ、と。「面と向かっては無理でもメールなら言えることがある」と言うけど、それはもっと語彙や人間を成熟させてからじゃないだろうか。高校生になったらスマホ持つだろうから、LINEもやるだろうし、そこはますます気を付けないとね。
どもることはその人の人格のマイナスではないけれど、会話を回避し続けることはマイナスに繋がる。どもってもいいから、恐れずに向かっていこう、と少し思ってくれたように思います。今だって虎男の周りには良い友達がいるし、皆認めてくれているのだから。
菊池医師がここまでがんばれたのは、吃があったからこそかもしれないし、そう思うと人生なんでも宝というか、虎男も人にできない経験を経て強くなれるんじゃないかな、とそんな気もしました。
もう一冊これも買ってみました。本人がまた時間のあるときに読めばいいかな。
- 作者: 菊池良和
- 出版社/メーカー: 学苑社
- 発売日: 2012/05/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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小学校2年生のときに初めてSTの先生に診てもらって、はや7年。割とすぐに寛解した風で、「もう行かなくていいんちゃうん?」と何度も思ったけど、本人は常に「一応、行っときたい」というので、3〜数か月に1回の面談を続けてきました。考えてみれば、自分がどもるというについて全く隠さずにいられるのはそこだけ、貴重な時間だったんでしょうね。その先生が春転勤されるということで、これで終了とするかどうか、3月までに答えを出すことになっています。
*1:ただし、「ハイ」という返事にだけは苦労したことはないらしい、そこは違うと。あと英語もかなり平気。