とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

淳 それから

淳 それから


前作のを読んだときに、
なんて強い気持ちを持ったお父さんなんだろう、と
淡々とした語り口に感動した記憶があります。


そしてもちろん涙なしには読めない本でした。
このあと、少年Aの母親が本を出し話題になりましたが、
土師さんの本を読んでいたので、手に取る気にもなれませんでした。


今回は、土師さんと本田信一郎というリポーターとが
交替で書き進めています。
犯罪被害者救済の為に尽力する様子がメインですが、
やはり親としての悲しみがひしひしと伝わってきます。


電車で読んでいて、涙を堪えるのに苦労したり、
ふと気がつくと、後ろに立っている人が熱心に覗き読みしていたり、
・・・なにせあまりに近くで起こった事件でしたから。


淳くんのお母さんもですが、
何よりお兄さんの成長過程に、
心に訴えかけるものがありました。




「できるだけ人には優しく接していきたい。
そうすれば淳も天国で喜んでくれるのではないかと思うのです。
私が人生を終えて淳のもとにいった時、
胸をはって自分のやってきたことを報告できると思うのです。」


という土師さんは、ただなんでも赦す”優しい人”ではない。
むしろ加害者に対して厳しい言葉を投げ続ける人だ。
どこまでもひたむきで、まじめで、淳くんのことを考え、愛し続ける、
大きな人間、お父さんだなぁと思った。



だけど、ここまで、
こんなにまで
この人にさせなければならなかった
事件の存在そのものが、


やっぱり・・・あってはならないことだというか、
うまく言葉にはできないですけれども。


今年も、ひどい事件はなくなるどころか、
増えていますね。。。


遺族の受けてきた悲しみ、怒り、
事件発生、加害者逮捕、訴訟、加害者退院・・・その度に繰り返される別の形の暴力
を思うと、本当に酷いとしか言い様がありません。


子どもが加害者、被害者になる犯罪にはうんざりだ。
ひとごとではないと、重い気持ちになります。