
- 作者: 奥田英朗
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/02/07
- メディア: 単行本
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どちらも中学生、13歳14歳が主人公。そして今まさにわが子がその年代の自分としては、一気読みです。
読み進んでいて非常にリアルだなと思いました。子供・親・学校・警察、それぞれをこんな簡単そうに、見てきたように、鮮やかに描き分けられるもんでしょうか。奥田さん群像劇上手すぎ。あまりの日常っぽさ、リアルさにぐいぐい引き込まれます。
作者は決していじめられる側が悪い、と描いているのではないと思います。そういう見方でこの作品を捉えてほしくないです。コミュニケーション障害について意識して書いているのかなとは感じましたが。
うまく言えないけど、当事者、関係者、傍観者がいかにそれぞれ”閉じて”て、自分の考え方に固まってり、自分可愛さに自分を追い込んでしまうか、どれだけ幼いか、どうやったらそこから進歩できるのか、と問われている気がしました。そのための突き放したラストなのかなと。
宮部さんの「ソロモン」は「こんな中学生おらんわー!」と思いながら、希望をくれる一冊。こちらは、あくまで等身大、現実感。読み終わってもまったく気分良くはなれません、が、間違いなくお勧めの一冊。