板垣退助 といえば、
「板垣死すとも 自由は死せず の人、以上」って感じ。
悪ガキのイメージも、武士のイメージもなかったので表紙もピンとこなかったけど、(特に後半) 戊辰戦争あたりからは、がぜん面白かった。
上下2段の550ページなので、前半なかなか進まず投げそうになったが、この作者なのできっといい感じに読ませてくれる筈と信じて最後まで読んで良かった。
大河ドラマにできそう(ただし、やはり主人公が地味、とか言われて視聴率低迷しそうだけどw) 土佐人の気性、土佐からみた薩長人のやな感じ~の描き方がイイ。
読みながら、容堂公は近藤正臣、西郷さんは西田敏行(鈴木亮平ではない)が浮かぶ。板垣退助って今まで誰がやってたんだろう?…誰も浮かばない影の薄さ。なぜなら彼は維新の志士ではなくて、上士のおうちの人だから。龍馬は遠く、そう大きく出てこない、その視線が新鮮。
物語は彼の晩年を描かずに終わります(なのにこんなに長い!)。維新前後っていうのは、見る角度によりそれぞれ違う景色があって、ここにもここにもこんな人物がいてがんばってたんだ、みたいなのがあって、やっぱり惹かれるね。民権運動への流れは、西郷さんへの思いも流れてるのだ(勝手解釈)。
「明治維新とは、つまるところ未来というものに取り憑かれた人間たちの物語である。」(文中より引用)
自由、ってことばからはじまるものがあったんだなぁと。長いけど、維新がお嫌いでなければ、おすすめの一冊。
日付変わると17日。震災から25年だ。
「しあわせ はこべるように」
初めて子供らが歌ってるのを聞いたときはなんて直接説明的な歌詞…と思ったけれど、この歌の力は大きいなと思うようになった。