とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

#9長かった

 なかなか読み終わらなかった。

罪の声

罪の声

 ギン萬事件、とは要するにグリコ森永事件です。あったな〜、一時大変な騒ぎだったなと覚えてる。チョコが”開封済み”とプリントされるシール付でシュリンク包装されるようになったり、街でお詫びセールがあったり。大騒ぎだったけど、次の大きなニュースにしゅぽっとかき消されるのはいつものことで、結局なんだったんだ?という思いはあったな〜。なんにせよ時代を感じさせる事件だった。

 前半はまるでノンフィクション、後半は作者の創作。まだ30代の作者は事件自体知らない筈だけど、よく調べて書けてるなぁと思う。謎解きはちょっとうまいこと進み過ぎるところもあるけどそこは小説、仲間割れのくだりなんかはまるでこれが真実のように思えてきます。作者さんは報徳中高から関学大神戸新聞の記者をされていたということで、地元や記者さんの描写が自然。ご自身に娘さんが生まれた後に書かれているので、大人の勝手でこの事件に巻き込まれた”子ども”に着目されたのかなと。その子達、どこでどうしているんでしょうね。
 少し読みづらいところもあったけれど、面白かったのでまた他の作品も読んでみたい。