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黒笑小説

この作者のお笑い短編は、よく登場人物の心の中のつぶやきが出てくるのだけど、それが可笑しくて、妙にリアルで、たたみかけてくるリズムで、ぷっと吹き出してしまう。

小説家と編集者が出てくる話が複数、それに「シンデレラ白夜行」、と自分で自分を笑い飛ばす感じが気持いい。

プリキュアでしょ？って思いながら読む「臨界家族」。実は笑えない話だけどめちゃ笑った。

”架空の固有名詞”がいっぱい出てきて、それがどれもこれも馬鹿馬鹿しいネーミングなんだけど、うまいなぁと感じさせる。なんでこんなのが書けて、シリアスもあんなにうまいんだろう。しかも濃い目の男前という点で石田衣良を大きくリード。東野圭吾は関西人の誇りだ。

ちなみに、子供の頃から本を読みまくって国語はずば抜けてよかった石田氏と違って、東野氏はかなり大きくなるまで本嫌いで全く読書をしなかったと自伝にあった。わからないものだ。