とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

#4村木さんの本

なんでこれを借りたかは忘れてしまった。どこかで、これはいい!とオススメされてたんだと思う。

あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ (日経WOMANの本)

あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ (日経WOMANの本)

幼少時代の振り返りに出てくるお父様も、同期の旦那さまもほんと素敵な男性で、めっちゃ男運のいい…いやいや、そうじゃなくて、見る目があるんでしょうね。最初の上司という人も良かったし。

 親の支援も得られない環境で、共働きで二人の娘さんを育てられたエピソード、係員から高級官僚までキャリアを重ねられていく過程、おぉぉ〜、朝ドラになりそう。*1まぁ「平凡な私でもできた」なんて書いてはるけど、とんでもない賢いデキる人。なんせ文章が読みやすい。お顔立ちもなんともいい感じやし、絶賛されるわけだわ。

 例の郵便不正事件のくだりは、まぁよく心折れずに頑張りはったなぁ、と拍手を送りたくなる。取り調べの様子は誇張なく淡々と書かれていているからこそ、その厳しさが伝わります。ご家族の手記も泣けます(一か所、家宅捜索のところで笑いましたが)。ちょっとちょっと!理想すぎて困るんだけど(そのへん全員でやんわり否定してるところも奥ゆかしい、笑)。

 本好き、記録魔、な性格に共感、「家事は帰ってきた方がやる」とか子供は子供扱いせず立派な戦力、というのも同意。そういや国家公務員になりたいな〜とか思ってた(大学生協にパンフレット見に行って、つい間違って…というわけではないけど、隣の冊子を取ったのが運のつき)。20代のときにこんな本に出会ってたらやる気湧いてたかも…けど、読めば読むほど超大変なお仕事…自分だったら知力体力なにもかも無理っ*2。子供がちょっとシリアスな病気になったとか、その辺で絶対辞めてる。周りにもいろいろ言われるやろし。なかなかできない。でもやり遂げたらこんなにいいことあるよ、ってこの本は教えてくれる。

 出来る女性だから、登用アピールに使われ却って男性より出世が早かったりして、それがまたやっかみを生んだりする面もあっただろうと思う。「男でも女でもいいから、できるやつをよこしてくれ」と言われるのに20年かかったとあったが、その辺の経験、ご自身の変化についても、わかりやすく語られていて説得力があった。

子供さんだけじゃなく、ご自身も心身やばくなったことが何度かあって、そこを乗り越えてきたことも、冤罪に負けなかった力の源なんだと感じました。とにかく芯が強い。あと、適度に空気を読まない感じも素質なんだろうなぁ、と。キムタクじゃないけど、ただ前に、進んできた人。

「だめな上司」との接し方も率直に書かれるし、「(自分が)えらそうにして良かったことはひとつもない」。だから事件の時に多くの方が信じ、彼女を支えたんでしょうね、そこは感動的でした*3

 仕事、結婚、子育て、全部やり遂げたヒーロー。これから大人になる女性には特に(もちろん男性にもだけど)読んで欲しい一冊…ということで、虎子に渡してみました、一応。*4

 そうそう、高知大出身でいらっしゃいます、今年はやっぱり高知が気になるおばちゃん(^ー^* )

*1:子供が小さい間は、給料を保育費用に全部つぎ込んでもそれでいいと思っていた、そうしてた、というのは、もちろん稼ぐ旦那さまがいてこそだけど、かっこいいのよ。それでもやりたい、やるべき仕事がある、っていうことだもんね。

*2:その前にまず試験に受かってないやろけど

*3:それにしても検察ってまじで恐ろしい。どこかのコラムで佐藤優が、村木さんと鈴木宗男の違いは、運が良かったか悪かっただけの違い、みたいに書いてて、それは男のやっかみ入ってるんちゃうんと思ったけど、国策捜査というのが事実真実とは違うとこでやられるというのは、それはそうなんだろうと思う。「たいした罪ではないから」「執行猶予ならたいしたことないから」認めろなんていうふざけたおっさん達の理屈は、「偽の障害者団体の金儲けの手伝いをしたなんていう情けない罪を犯すくらいなら、恋に狂って思い余って誰かを刺したと言われるほうがよほどましだ」というごく普通でまともな女性感覚を持つ村木さんには通らなかったということかもしれない。男女問題で語っちゃいけないんだろうけど、この反論のくだりは、本の中で一番彼女の強い女性らしさが伝わる好きなところ。

*4:まぁ、実際仕事や子育てしてきた大人がすごいと思っても、やつらにはちーっとも伝わらないのが常だけど