
- 作者: 真山仁
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- 作者: 村木厚子
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彼は実際証明書偽造に手を染めてたわけだけど、それだけに村木さんほど検事に強く言い切れないところがあったと言う。取り調べの中でどんどんローになっていく様子がこのノートを見るとよくわかる。
- 取調事項
- 印象に残った取調官の態度・言葉
- あなたの心境
などの項目を日記形式で綴っているのだが、
一週間ほどで
もうあきらめた。何も言わない
と書かれ、その後
調書の修正は完全にあきらめた。
後々他人がどうなるかなんて今はどうでもよい。
罪をおかしたのは自分だから死ぬまで苦しむのは仕方ない
密室の取調べでは検察に勝てない
もう誰も信じられない気持ち
という悲痛な表現になる。読んでてツーンとするよ。
(結果として、このノートを裁判の際のツールになるなどと言わずにさりげなく渡した弁護士さんがGJだったんだけど)
けど、本当に村木さんにしてもこの人にしても、拘留中も毎日弁護士が接見して励まし、相当なサポートを得られてやっとこの状態。ふつーの人は無理よね。村木さん自身が「自分は無罪だったから裁判に勝ったのではなく、幸運が重なったから勝てた」と言ってる*1
罪は罪として裁かれないといけない、検挙率は高い方がいい、けど、本の中で映画監督の周防さんも言う様に「みんなが同じような過程で冤罪におちていってるというのは、システムに問題がある」と思う。
一方、検察にも警察にも良心のある人もたくさんいるとも書かれてました、そりゃそうだ。最終的にFD改竄の件も、隠蔽を見過ごせなかった検事のリークだったわけで。大きな組織の中で保身を顧みず、信念を守るというのはそりゃ大変なんだろうけど、「法」を仕事にしてるなら、それこそ矜持ですよね。
全然関係ないけど、村木さんは、GPIFが株式運用を大幅に増やすことに反対して事務次官を降ろされたという噂?があるらし。株だだ下がりは辛いけど、これで、今言ってるGPIFの株式直接運用は”ちょっと待った”になるんじゃないのかな。それはその方がいいような気がする、ケガの功名*2。