とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

あるある大辞典 の納豆捏造事件、白インゲンマメダイエット とその対応に怒り、
食にまつわるさまざまな、かつ、わかりやすすぎる一方的な報道と、それに振り回されたまんまの一般人 に対して警告している本です。


全体的に、これも違うあれも違う反対反対大反対〜、って感じでしんどいようなとこもある本ですが、読みやすくて勉強になりました。私も自分の仕事に関係する分野がニュースになってると、

「だ〜か〜ら、そうじゃないだろ( ̄△ ̄#) (特にそこの古○と加○!!) 」

とむかつくことしきりです。
テレビでもラジオでもまともな解説なんてまず聞けた試しがありませんから。結局どこの世界もそうなんでしょうな。
だから、著者さんの怒りもあせりもわかる気がします。


どんなことでも、メディア・バイアスが常に存在することを我々は心に留めておかないといけない。そして、当然メディアも、もっと勉強してほしい、というメッセージ(著者は前者に重きを置いてます。後者についてはかなりあきらめモード。)が、たくさんの具体例と一緒に書かれています。


本の中で、国立医薬品食品衛生研究所安全情報部の主任研究官、畝山智香子さんのブログが紹介されています。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/

業務を終えてから、その日に集めた情報に解説を加えて個人のブログとして公開しているのだそうです。研究所や厚労省からストップがかかることもなく、むしろその価値を理解されて続いているそうです。このブログの存在理由について、本書から引用しますと、

畝山さんはこう話します。「残念ながら、食品安全について日本語で検索すると、ウソの情報が多いのです。しかもキーワードで検索すると、それらが上位に上がってきてしまいます。『○○は悪い』と書きながら、情報のソースをはっきりさせていなかったり、怪しげなドクターを登場させたり。でも、検索の上位にあるサイトにある情報だから、と信用されてしまう。そこで、ソースがはっきりした学術的な情報を、日本語でもどこかに残しておいて、必要に応じて読んでもらえるようにしなければ、と思いました。」

最近の小中学校は「インターネットで調べてリポートにまとめなさい」という課題がよく出ます。とりわけ食の安全は子どもに身近で取り上げやすいテーマとなっています。
そこで子どもは、農薬や食品添加物などの言葉で検索し、上位に上がってきたサイトを見て、コピー&ペースト、すなわち複写して貼り付ける作業で簡単にリポートしてまとめてしまいます。しかし、そのリポートは「遺伝子組み換えは危険」「外で売っている食べ物の中には食品添加物が山ほど入っている」「農薬は悪いものであることが分かりました」等々。でたらめの記述なのです。


なるほど・・・この職業意識、使命感、薬害肝炎に関った厚労省の役人に聞かせたい。アンテナに追加しよ。有機野菜は続けるけどw