とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)

私の大おじ(故人)も長いことシベリアに抑留されていたそうですが、直接話を聞く機会はなかったです。もう少し(私が)大人だったら教えて貰えたのかもしれません。子供心になんとなく、おじさんがソ連のことを嫌っていたなぁ、という記憶はあります。


新しくも話題でもなんでもない本ですが、途中何度も胸が詰まり、読むのに詰まり。これも先の戦争の一面なのだと、知っておかなければならないことだと思えました。この事実に、今の時代の日本人としてどう向き合えばいいのだろう???自分があまりのだめだめぬるい人間なので、どうしようもないけど。


このような酷いことでも、”戦後処理”で全て片付けられてるのに、なんで特○アジアとはいつまでも片付かないのだろう。 敗戦国だから? 日本では、過去の歴史のことで他国への憎しみを植え付けるような教育はしていないし、子供へ与えるものとしては適切ではないという最低限の良識はあるだろうから、これからもされない方がいい。でも、何も教えずに、この遺書を書いた山本さんや何年間もそれを記憶し続けて持ち帰ってきた仲間達のメッセージが、ほんのついこないだの日本人の考えなのに、随分遠くなって、理解できなくなってしまうのならば、あまりに申し訳ないことだと思う。


収用所の事実は辛く衝撃的ですが、登場人物たちの忍耐力、仲間への思いやりの心、俳句や短歌などの文化が極限状態にある人間に癒しを与えていく様子などがとにかく強く美しく、感動した一冊です。