とらとらでひとりいぐも

TigerBalm's diary   ぼぉっと生きてる第2種兼業主婦の独り言

ダライ・ラマが語る―母なる地球の子どもたちへ

ダライ・ラマが語る―母なる地球の子どもたちへ


作者(ジャン・・・というフランス人)がダライ・ラマ14世に行った
インタビューの記録を翻訳したもの。


なかなか良かったです。
インタビュー本でありながら、作者の記述部分も多く、それが
読む側の理解を助けてくれます。


私はとくに何を信じているというわけではありません。
正月は神社に行き、法事は仏式でやって、結婚式はチャペルで挙げた
典型的な日本人だけど、
仏教の考え方というのは、やっぱり一番しっくりとなじむ気がします。



自分だと思っているものもつきつめればすべて空である、
と言われると、なぜかほっとします。


特に本書では、心の分析について、執拗に掘り下げようとします。
心でしか心を分析できないという難しさ。


読んでいて、ふと先日読んだ
進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線のことを思い出しました。
その本でも、結局心はどこにあるんだろう?と考えていました。


仏教と最先端の脳科学
まったく対極にあるようで、なぜか近いような気がします。
どちらも、考えて考えて、安心を与えてくれる感じ。


地球上の人口増加と貧富格差を憂い続け、
ホテルから出るときは必ず電気を消して出かけるという、
ダライ・ラマの考えに触れられる一冊。


作者も言うように、ダライ・ラマの人柄にあたたかく包まれたような
読後感でした。